紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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ヒシの繁茂した「ため池」のその後(1) 
    

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秋になってからのヒシの枯死 ---

 
2006年8月に、ヒシ群落が水面をほとんど覆っていた津市内の「ため池」大沢池のその後はどうなったのか調べてみた。9月28日には、かつてヒシの葉で覆い尽くされていた大沢池の西側には、ヒシの葉はほとんど見られなくなった(写真1)。一方、池の東半分には、ヒシの群落がそれほど密集せずに残っていた(写真2)。
   
 
2006年11月16日には、ヒシの残骸が東側岸辺に少しかたまって残っていた(写真3)。また、ヒシの葉が見られないところでは、水面のあちこちにヒシの茎が水面すれすれに見られ、ヒシの茎が水面下に残っているのが分かる(写真4)。

 2006年9月8日には、大雨の後で大沢池に行き、排水孔を見たところ、ヒシの長い茎がコンクリートの壁に引っかかっていたが、排水孔や溝に多量に溜まっていることはなかった(写真5)。ヒシはため池の底に根を張っているので、大雨により池内の水が溢れても、抜けて漂う個体はそれほど多くなく、排水に支障が生じることはなかった。

 したがって、これまでのところ、ヒシの異常繁殖とその枯死によって著しい水質の悪化や排水上の問題が生じることはなかったと考えられる。
ただ、排水孔付近で腐敗臭が少しした。

写真をクリックすると拡大します)

(写真1)
2006年9月28日の大沢池の西側。水面を覆っていたヒシは見あたらない。
(写真2)
2006年9月28日の大沢池の南東側。ヒシの群落が見えるが、8月のようには密集していない。
(写真3)
2006年11月16日の大沢池の東側。ヒシはほとんど枯れ果てて、その枯れた残骸が東側の岸に吹き寄せられている。
(写真4)
2006年11月16日の大沢池の北東側。ヒシの葉は全く見えないが、ヒシの茎と思われるものが水面すれすれに見られる。
(写真5)
2006年9月8日大雨の後で、大沢池の東側の排水孔にひっかかったヒシの葉と茎。しかし、排水孔や溝を詰まらせるということはなかった。

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